1.17 消えない光は僕らの心に・・・
 あの日、僕らはたったの一瞬で多くのものを失った。
大切な写真、長年暮らしてきた家、仲の良かった友達、色々教えてもらった先生、いつもお世話になった親戚、そして何より大切な家族・・・・
もちろん初めは恨んだ。なんにもしていないのになんで大切なものを失わなければいけないのかと。
電気もガスも水道も、全てが無くなって、僕らを包む冬の寒い夜・・・・
怖かった・・・・寒かった・・・・まだ続く恐怖・・・
でも、そこへ一筋の光を照らしてくれたのは、同じマンションの人たちだった。
「大丈夫?」「頑張ろうな!!」「一人で持てる?」暖かい声。その声に、持っていたポリタンクの水が凄く軽く感じた。
・・・10年たった今、僕らにあの日の暖かかった記憶を思い出せる事がある。
あの街に、光の記憶が灯る頃、また新しい年が来る。
あの日の事は、絶対に忘れる事は無い。辛かった事の隣には、いつでも暖かかったあの優しい声があった。
1.17 5:46 恐怖の隣に僕らの心を優しく照らす、とても明るい光があった・・・・


解説
この詩(詩といえるのか・・・・・)は、1995年に起こった阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)を実際に経験した僕の体験を書いていきました。
僕の住んでいる宝塚市は、神戸ほど大きな被害は出なかったのですが、やっぱり友達の中でも親戚や家族や友人や住んでいた家を失った人がいたり・・・実際僕の家(当時はマンションでした。)もかなり危険な事が多くて、
家具が倒れたり、テレビが360度ひっくり返ったり、家の食器の半数以上が飛び散って床に破片が散乱して…
1週間くらい余震が続いて、ライフラインとかも二週間ぐらい止まりっぱなして何も出来ず、真っ暗だったりして…
そんな怖い中であっても心にとどまったのが隣近所の人たちの暖かい声でした・・・・
水が無くて近所の小学校の校庭まで自衛隊の給水車からの給水を受けにいって20gのポリタンクいっぱいにはいった水を家まで運んで帰って・・・あのときの重さが、これから先、あの日のことをおっさんになってもお爺さんになってもずっと忘れないようにしたいと思います。解説の方が長くてすんません…